コスト削減といえば、海外工場で新型車生産が増えそうな気配。そう、日本で作るより安い、日本から出荷するよりも有利な地理的状況、通貨や為替の影響も無視できません。外の雨模様を眺めながら、輸入された日本車たちのことを思い出してみました。

　次期日産マーチはタイ製になる模様です。つまり日本においては輸入車ってことですね。現在一番新しい日本メーカーブランドの輸入｢日本車｣は、英国製のシビック･タイプRユーロです。

　今となっては懐かしい、アメリカ製アコード･クーペが日本メーカーの海外工場生産車として、初めて日本に陸揚げされたのが1988年。それからのホンダはアコードワゴンやセダンの一部、シビック･クーペやインスパイア/セイバー、エレメント(以上アメリカ製)、最近だとフィット･アリア(タイ製)もあります。

　トヨタでは、アバロン(米国製)、ヴォルツ(米国NUUMI製、ポンティアック・ヴァイブのOEM)、アベンシスセダン/ワゴン(英国製)、最近ではライトエース/タウンエースのバン/トラック(ダイハツのインドネシア工場製、トミカにもなりましたね)があります。

　日産だと、クエスト(フォードとの共同開発車、米国フォード工場製)、ミストラル(日産モトール･イベリカ、スペイン製、画像のクルマ)、ダットサントラックキングキャブ4x4SE-V6(D21、米国スマーナ工場製、300台限定)、ブルーバード・オーズィー(U12ブルーバード5ドア、オーストラリア製。オーストラリア車名はピンターラ)、プリメーラUK(初代プリメーラ5ドアハッチバック、英国製)、マイクラC＋C(K12マーチのクーペカブリオ、英国製)、デュアリス(当初は英国製、現在日本向けは国産)。結構ありますね〜。

　三菱ではマグナ･ワゴン(FFシグマのワイド版ワゴン。オーストラリア製)、ディアマンテ･ワゴン(オーストラリア製、オーストラリア車名はマグナワゴン)、カリスマ(ボルボ･オランダ政府との合弁会社オランダ･ネッドカー製)、プラウディア(エンジン等の主要部品以外は韓国製、組み立ては日本)、エクリプス(クライスラーとの合弁会社ダイヤモンド･スター･モータース、米国製)、ストラーダ(2代目K74T、タイ製)、一番新しいところでは2006年からのトライトン(タイ製ピックアップ)があります。あるある。

　マツダではロードペーサーがありますが、エンジン以外はオーストラリアGMホールデンのものを輸入して組み立てたものであり、日本メーカーブランドの輸入｢日本車｣という意味では少し違うかも知れませんね。以下マツダが開発したモデルで、フェスティバ5(初代フェスティバの5ドア、韓国起亜自動車製)、フェスティバ･ベータ(初代フェスティバの4ドアセダン、韓国起亜自動車製)、フォード･プローブ(初代、2代目。フォード合弁の米国オート･アライアンス･インダストリー工場製。ベースはカペラ)があります。長い間フォードとの資本業務提携があり、国内でもフォードのバッジをつけたモデルをオートラマ店(フォード店)向けに製造していのはご存知のとおりです。

　そしてスズキのスプラッシュです。日本の工場では手一杯なので、ハンガリーで製造したものを輸入しています。

【番外編】
輸入日本車とは言い難いモデルとして、GMシボレー･キャバリエのバッジエンジニアリング車、トヨタ･キャバリエや、OEM車でホンダ販売店に並んだホンダ･クロスロード(ランドローバー･ディスカバリー。ローバーと提携していた頃のことで、現在のクロスロードとは別物ですね)、古いクルマでは1973年にいすゞブランドで販売のホールデン･ステーツマン･デ･ビル(見た目はマツダ･ロードペーサーと同じです)も挙げておきます。

　いやいやいや・・・結構な数の輸入｢日本車｣があるもんです。ラインナップ充実を目論んで、意図的に輸入する場合もありますね。マイナーな絶滅危惧車がイッパイです。

(2009年12月3日)

(2009年7月15日)